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都内のIT企業で働くカラオケ大好きエンジニアの雑記

【ブックレビュー】グロースハッカー/ライアン・ホリディ

職場の人に薦められ、その場のノリで、

感想レポート提出するわ!

と宣言して読み始めた(笑)

帯には

会社もサービスも劇的に成長させるものの売り方、作り方

という刺さる人には刺さりそうな言葉が。

しかし正直なところ最初、上の言葉が刺さったのかというとそうでもない 笑

しいて言えば「ハッカー」という言葉のほうに意識がいき、

「“グロース”の“ハッカー”って何者!?」

という部分が興味の部分でした。

が、内容も面白く、分量的にも読みやすく、
様々なグロースハックの例が散りばめられているので、
飽きずに最後まで読むことができました。


グロースハッカーって何者?

私自身「グロースハッカー」という言葉自体になじみがなく、
グロースハッカーがいったい何者なのか・・・
というのが第一印象。

文中にもありますが、「ハッカー」ってなんか「悪いことするような人」という印象を持っている人も少なくない気がしますが(自分も多少そういう印象はあるし)、

「ハック」(hack)という言葉は本来、「高い技術力を駆使して課題を解決する」という意味であり、ハッカーに対する悪いイメージとは大きく異なる(P99)

とあるように、「ハッカー」は別に悪い人のことをいうわけではなく、
文中の以下の言葉に集約されているなと感じますが、

利用者を獲得•維持し、サービスを大きく成長(グロース)させていく」(P99)

ということを実践・実行する人
を「グロースハッカー」と呼ぶという認識がしっくりしています。


で、グロースハックってなに?どんな手法?

「じゃあどうすればそんな風に成長を促すようなことができるのさ?」
銀の弾丸となるものがあるんだよね?」
となるかもしれませんが、
やっぱり銀の弾丸は「ない」です。

「グロースハックとは、ツールキットというよりも、マインドセット(考え方)だ」(P24)

本書でも上記のように言及されており、
実際様々な会社がどういう風に成功してきたか(ツールセット)の話は盛り込まれていますが、
(特にP48からP51に成功した具体的な施策がある)
結局は各々が各々の置かれている立場・現場において、
どんな方法が「グロース」させる手法になるのか?を見つけ出す必要があると思います。

使える分析ツールをフルに活用し、最大限の結果を得られるまで改善して、改善して、改善しまくるのだ。

というように、やはり銀の弾丸はなく、
使える分析ツールで得られるデータ(GAとかメルマガの効果測定とかもうありとあらゆる分析結果)について、
分析し考察し仮説をつくり検証し・・・の繰り返しにより、
PMFにどんどん近づけていくことがその手法なのではないでしょうか。


まとめ

「どんな状況であっても、もっと改善できる」 (P74)

という言葉が示すように、
必ずしも「グロースハッカー」になる必要はないと思うが、
いま自分のいる立場について、現場について、会社について、
関わっているサービスについて、
より深く深く(現状を)知り、分析し、
短いイテレーションの中で、より効果の出る施策を模索し続け、
より高みを目指すことのできるような、
「グロースハックをするんだ!」という意識は、
個人•チーム•会社のどのレイヤーでも共通して持つべきマインドセットであり、
それを実践する・浸透させていくという心を忘れずに、
仕事に生活に活かしていけるといいなと思います。


参考までに・・・

まずは訳者あとがき(P123)からよんでみるのが個人的にはおすすめかも。

グロースハッカー

グロースハッカー

メモ

グロースハッカーはひたすらユーザーと成長とを追跡する。

マーケティングの本質は変わらないー顧客が誰で、どこにいるかだ

測定可能で効率的な方法で、いかにして注目を集め、持続させ、倍増させて行くか

マーケティングにおける最善の決定とは、特定の人々のリアルで切実なニーズを満たす製品や事業を獲得することだ。

数百万人ではなく、数百人あるいは千人程度の鍵を握る人々を直撃できればいいのだ

ユーザーを引き込む、獲得するためのピンポイントな攻撃が必要。

本能的直感では絶対に得られないPMFに近づくための洞察を与えてくれるだろう

製品開発とマーケティングを完全に別のプロセスとして行う方法はもう古い。

クチコミが生まれるのは運ではない。魔法でも偶然でもない。なぜ話題になり、共有されるのかには科学的な理由があるのだ。レシピがあり、公式すらある。 社会学者 ジョーナ•バーガー

製品やサービス自体に共有せずにはいられない価値がなければならない。

"ゴー•バイラル"したければ、クチコミの種を製品の中に仕込む必要があるということだ。

クチコミは偶然には起きない。設計するものだ。

サービスに追加した機能でユーザーを定着させられるなら、その機能もマーケティングなのだ

ユーザーがそのサービスから離れられなくなる(そして友達を誘う)まで改善しよう。

定着は獲得に勝る ブロンソンテイラー(P80)

グロースハックは、ROI(投資収益率)の最大化を目指すものだ ― 最も効果的なポイントに全精力を注ぎ込むことだ。

マーケティングとは、顧客の獲得だ。そう考えれば、顧客を獲得するための行動すべてがマーケティングだといえる。

効率的で拡張可能なデータ駆動型の方法で顧客にリーチする

本能的直感では絶対に得られないPMFに近づくための洞察を与えてくれるだろう